日本のクワガタでは、このような連続的な変化をする種類が多いのだが、
一方、ボルネオ島で見られるローウイツヤクワガタなどでは、
大歯型・中歯型・短歯型の三つの型が見られ、
これらはそれぞれ独立した形をしており、
中間型は見られず、また、からだの大きさとも相関がなく、変化は断続的である。
前者は幼虫期のエサの量などによる個体変異で、
後者は遺伝的に固定された変異ではないかと考えられている。
九州から連なる南西諸島のトカラ列島から沖縄本島までの各島で見られる
アマミノコギリクワガタもまた、
島ごとに大アゴの形や体の色などの特徴が異なっている。
これは、もともと同じ形をしていたものが、
長期間の隔離のために島ごとに特有の特徴をもつような変化が生じたものと考えられている。
このように、生きものたちは生活のパターンや形態などにさまざまな変異をもっており、
これが多様な種を生じる源になっているのである。